足にむずむずする不快感がありじっとしていられない

足の裏やふくらはぎ、太ももに「虫が這っているような感覚」や「むずむず感」「ほてり感」などの不快感が現れるためにじっとしていられません。

症状は、横になっているときや座っているときなど、じっとしているときに起こり、多くは夕方から夜にかけて強くなります。立って歩いたり、足を動かすと症状が治まったりして楽になりますが、じっとしていると再び症状が現れます。

症状が最も現れやすいのが、夜、寝床に入っているときです。最初は時々起こる程度ですが、悪化すると毎日起こるようになり、不眠症や日中の眠気の原因となります。

そして、夜だけでなく昼間でも、テレビを見ているとき、会議中、電車での移動中など、座ってじっとしていると症状が起こるようになり、日常生活のあらゆる場面で支障をきたすようになります。また、不快感が腕や背中など全身に広がることもあります。

ある研究機関が中等〜重症の患者さんを対象に行った調査によると、36%が過去1ヵ月に2〜3回は、早退や休息を経験したと回答しました。さらに8%はこの病気が原因で会社を休んだことがあると回答しました。

むずむず脚症候群の不快な症状は薬物療法で改善します

むずむず脚症候群や周期性四肢運動障害(PLMS)で起こる不眠は、睡眠薬を服用しても解消されません。治療では、症状を抑えて不眠を改善するのが基本になります。軽症の場合、多くは日常生活の改善で解消されます。症状が強い場合は、薬による治療を行います。

日常生活での注意
鉄分の不足が不快な症状を引き起こす原因のひとつと考えられていますので、普段の食事でレバーやほうれん草、イワシなどを積極的に取るようにしましょう。サプリメントで鉄分を補給することも効果的です。

足の不快感は、日本茶、コーヒー、紅茶などに多く含まれるカフェイン、たばこなどに含まれるニコチン、アルコールなどによって起こりやすくなります。特に、症状が現れやすくなる夕方以降は、摂取を控えるようにしましょう。

また、肉体疲労を伴う激しい運動をすると、症状が出やすくなります。運動は適度な範囲にとどめ、運動後はマッサージやストレッチをして、筋肉をよくほぐしておくことが大切です。

鉄分の不足によりむずむず脚症候群の症状がでる場合には、食生活の改善や鉄剤を補給することで症状が改善することがあります。ただし、肝臓の病気を治療中の方は、鉄剤を補給する前に必ず医師に相談しておきましょう。

薬物療法
2010年1月、パーキンソン病の治療薬であるプラミペキソール(商品名:ビ・シフロール)が、むずむず足症候群の治療に有効であるとして、効能追加&保険適用となりました。同系統の薬に現れやすい消化器への副作用が少ないのが特徴です。

続いて2012年4月には、国内で2つ目の治療薬として、ガバペンチンエナカルビル(商品名:レグナイト)が保険適用となりました。レグナイト臨床試験を統括し、睡眠障害の医師として著名な井上雄一氏は「ビ・シフロールがむずむず脚症候群に伴う不眠や疼痛にも効果を示し、レグナイトはむずむず脚症候群に高い頻度で伴う周期性四肢運動障害(PLMS)にも効きやすい」と話しておられます。

承認済みの上記2剤に加えて、ロチゴチン(商品名:未定)が承認申請中です。こちらは1日1回、患部に貼り付けるだけで効果が24時間持続するというもので、もし承認されれば、昼にも症状が出る患者さんにとって有効な治療薬となります。

治療を受けるにあたっては、睡眠障害を専門にしている医療機関を受診しますが、近くにない場合には精神科もしくは神経内科に相談してみましょう。

自分でできるむずむず脚症候群の対処法

むずむず症候群に対して最初に行なう療法は、原因となる疾患がある場合にはその治療と生活スタイルの改善です。例えば、カフェインは足の不快感を強くしたり、眠りを浅くすることがあるので、コーヒーや紅茶などの摂取の制限します。

また、寝床に入る前に軽めの運動をしたり、ストレッチやマッサージをして筋肉を適度にほぐしておくことも効果的です。以下に挙げる工夫点を参考にしてみてください。

朝と夜に軽い運動を取り入れる
起床時と就寝前にストレッチやマッサージなどの軽い運動をすると、症状が治まります。ただし、体を激しく動かすスポーツなどを行うと、その反動が夜寝てから現れて、かえって症状が悪化してしまいますので、注意が必要となります。症状の軽い人ならウォーキング程度で十分です。

自転車やエアロバイクも太ももやふくらはぎの筋肉を使うので同様の効果が期待できます。また、お風呂に入ったり、少し熱めのシャワーを浴びるのもよいでしょう。

室内環境の変化
梅雨時の終わりから夏にかけて蒸し暑い日が続くと、むずむず脚症候群の症状が悪化するケースが多くなります。自分の経験から心当たりのある人は、室内にいるときはエアコンを適度に効かせておくようにしましょう。

テレビを見たり、読書をしようとしても、じっと座っていると足の不快感が現れてしまいます。こんな場合は、エアロバイクがおすすめです。下肢を常に動かした状態になって症状が治まりますし、体への負担も少ないので、テレビや本を見る際にも邪魔にもなりません。

また、SOHOなどで自宅が仕事場になっている人は、立ったまま仕事ができるくらいまで机の高さを引き上げることも、ひとつのアイデアです。

脳の覚醒レベルを高める
症状は、休息している時や眠気を覚えるくらい脳の覚醒レベルが下がっているときに強く現れます。逆に言えば、日記を書いたり、インターネットをしたり、最近流行の「脳を鍛える」ゲームなどをしたりして、覚醒レベルを高めてあげると症状を抑制することができます。

知的パズル(数独、脳トレ、詰め将棋など)の本などは、携帯にも便利ですので、飛行機で移動中などの体を自由に動かせないシチュエーションで役に立ちます。